2013 / Activision / Terminal Reality / 360 PS3 WiiU PC
北米版Xbox360ソフト「The Walking Dead: Survival Instinct」を紹介!
全米で大人気のドラマ「The Walking Dead」のFPSが遂に出た!しかもプレイヤーとなるのはもはや主役といっても過言ではない「ノーマン・リーダス」扮する人気キャラ「ダリル」!
否応にも高まる期待ですが、果たして出来の方はどうなのでしょうか。
以下、解説していきます。
全米最強テレビドラマ
本作は全米で放送されるや否や、一大センセーションを巻き起こしたコミック原作のリアルゾンビドラマ「The Walking Dead」のゲーム版です。 ゲーム化は初めてではなく、過去に一作出ているのですが、そちらは会話主体のアドベンチャーゲームとなっており、シューティングゲームとしては今回が初となります。
ゲーム内容はゾンビ相手のオーソドックスなFPSで、各地に取り残されている生存者たちを救出しながらこのゾンビパンデミックを生き延びていくというこれまたオーソドックスな感じです。
後で解説しますが、独特な移動システムや生存者の探索など、一応独自のゲームシステムを盛り込んでもいるのですが、全体としての印象はかなり普通で平凡…これは先が思いやられます…。
ダリル・ディクソン
プレイヤーとなるのはボウガンが相棒の「ダリル・ディクソン」。 当初ドラマでは脇役として登場していたのですが、回を追う毎に人気が高まり、現在では主役といっても過言ではないほど重要なキャラクターとなっているのです。
パッケージの通り彼をフィーチャーしまくっている本作ですが、主観視点ゆえ姿を拝める機会が非常に少なくほぼ手だけの出演となっています。しかも彼の兄である「メルル・ディクソン」も登場するのですが、特に一緒に行動するとかも無く、要所要所でちょっぴり登場するぐらいの扱いとなっており非常に残念!
一応ドラマでは語られなかったダリルの過去が判明するのですが、特にあたり触りの無い話でこれまた残念。ストーリーは2人がアトランタに辿り着くまでの前日譚となっております。
超堅物ゾンビ集団
プレイヤーの敵となるゾンビ、おおよそ他のゲームでは弱い存在ですが、本作に登場するゾンビは異様に堅く攻撃力も高い厄介な存在。もちろん、このゾンビ達は頭以外の攻撃はほとんど効果が無く、冷静に頭を狙って攻撃しなければなりません。
打撃攻撃だと頭に2、3発必要で、斧やマチェットで両腕や両足を切断しても生きているというタフさですが、銃撃だとどんなに弱いハンドガンでも一撃で倒すことが出来ます。 ただ、銃を使ってしまうとその銃声に気付いたゾンビが集まってきてしまい大変なことになってしまうので、使用には注意が必要です。
1対1では何とかなりますが、2人3人相手だと意外と厳しく、それ以上になるとたとえ銃を持っていても押し切られてしまう事があるので一度逃げた方が得策かもしれません。 しかも、ダメ押しで足の速さも加わるので、移動は常にLスティック押し込みのダッシュで駆け抜けないと追いつかれます。 このゲームやった後は左手親指の痛さがハンパ無いです(笑)
必殺サイレントボウガン
さて、弱い打撃攻撃に弾の少ない重火器、ゾンビとの戦闘に苦戦を強いられる本作ですが、ゲーム中盤で手に入る「ボウガン」によって戦局は大きく変わります。
ドラマでもお馴染みのこのボウガンは唯一音の出ない遠距離攻撃できる武器であり、弾薬に関しては発射した矢を拾って何回でも使えるという非常に優秀な武器なのです。 上の項でも説明した通りなるべく集団での戦闘は避けたいのが本音、本作ではゾンビに気付かれず攻略していくのが基本となるのでこの武器の使用はかかせません。
一応持てる弾薬が少ない、連射が効かないなどの欠点もありますが、乱戦になったときは素直に他の武器を使えばいいのです。 無理に大量のゾンビ相手に使用すると、撃った矢がどこにいったか分からず地面を這いつくばって探すという屈辱のプレイになるので気をつけましょう。 ドラマの様にスマートにはいきません(笑)
生存者ピックアップ
ゾンビに襲われた街の中には助けを求めている生存者が存在し、「仲間を探してきて」等のサブミッションをクリアすると救出して一緒に行動することが出来ます。
一緒に行動といっても画面上でゾンビと戦ってくれるとかではなく、主人公のパーティとして「弾薬」や移動に使う「ガソリン」の調達をしてきてくれる位の簡単なもの。 仲間への指示はステージの最初にでき、プレイヤーがステージをクリアしたと同時に仲間の成果も確認できます。
この調達依頼はギャンブル要素が高く、ゾンビに襲われてそのまま死亡してしまうことも多々あり、リスクが高い危険な場所では、なるべく成功しやすいように複数人の仲間に頼むか、車の見張り(死亡リスクゼロ)を頼むなどの対策が必要。 弾薬や回復アイテムが少ない本作では仲間への調達依頼は頼りになる反面、死亡リスクが伴うことも頭に入れておこう。
ブレイクダウンロードアウト
ゲームはジョージア州の田舎から始まり、カリフォルニア、オレゴンと移動していきます。
ステージとステージの間には移動シークエンスが存在し、次の街へのルートを選択することが出来ます。 ルートは「田舎道」「街路」「高速」と3つ存在し、それぞれ移動に使用するガソリンの量が異なる模様。 田舎道では消費量が多く、高速を使えば少ないガソリンで進めるのですが、その分移動中に発生するハプニングイベント「ブレイクダウン」が高確率で発生するなどのリスクがあります。
また、移動中にガソリンが無くなるとその都度回収しに行かなければいけないので、ガソリンシステムは意外と面倒くさいです。 こうならないためにも街を隅々探索してガソリンを確保しておきましょう。 仲間に頼むのもオススメです。
チープという言葉では済まされない
厄介なゾンビに面倒な移動システム…実はというかもう多分気付いていると思いますが、本作に対する海外サイトの評価は非常に低く「ファンにはオススメできない」「シューティングとステルスの退屈なクロスオーバー」など言いたい放題言われており、メタスコアは32点と惨敗です。
正直、あまり触れたくは無かったのですがグラフィックに関してもなかなか酷く、PS2に毛が生えた程度は言いすぎですが、流石にこれが2013年のゲームとは思えません。 メニュー画面のダリルのバックショットは吹きました(笑)
いやはや、映画やドラマなどのゲームがクソゲーというのは昔の話だと思ってましたが、ある意味オールドスクールな出来に感激です。 映画ゲーがゴミでいい時代じゃないんですよもう(笑)
強くてニューゲーム
なんともオールドスクール版権ゲームな訳ですが、これまた懐かしい響きのいわゆる強くてニューゲームが搭載されており、救出した生存者によって2週目は様々な特典が得られるのです。
「近接攻撃ブースト」や「ステルス能力アップ」などがあるのですがオススメは「ボウガン&ライフル」です。最終ステージでしか手に入らない「アサルトライフル」を最初から装備しているので、1週目とは180度反対のランボープレイを楽しめるといういわばチートモード(笑)
1週目のステルス主体のゲームとはもはや別ゲーとなっており、分岐や収集物もあるので、システムの分かった2週目からが本番といった所でしょうか。 苦戦していたゾンビ共を軽くなぎ倒していくのはなかなか快感ですね。 頑張って1週しましょう。
ウォーキングデッド好きなら…
プレイした感想は全体的にかなり普通…といったところでしょうか。ドラマの人気を受けてさっと突貫工事で作ってしまった感が感じられるのが非常に残念ですね。
しかしながら、ゴア表現はなかなか良くできており、ゲーム自体も決して遊べないわけでもないという絶妙な立ち居地なので、個人的には全然クソゲーではないですね。ちょっと変わったゾンビゲームを探しているのでしたら、候補に入れてみてはいかがでしょうか?
逆にゲーム化第一作目の「The Walking Dead A Telltale Game Series」はアドベンチャーながらかなり評価が高く、PS3版なら日本版も出ているのでファンの方は合わせてどうぞ。 ちなみに本作は360版PS3版共にリージョンフリーです。以上。