2005 / SEGA / Monolith / 360 PC
北米版Xbox360ソフト「Condemned: Criminal Origins」を紹介!
不気味な廃墟を舞台に、FBI捜査官と猟奇殺人犯との戦い描いた戦慄のハイデフホラー第一章。
開発は「F.E.A.R」シリーズを手がける「Monolith」です。
新世代ホラーゲーム
2005年のXbox360本体発売と同時にリリースされた記念すべきローンチソフトの一本。
にもかかわらず高い完成度を誇っており、マニアの間では「かなり怖いゲーム」として有名で、2008年に米ゲームサイト「IGN」で発表された”ここ数年で最も怖いゲーム”では堂々の1位に選ばれているという本作。
もう何が怖いかっていうと、薄暗い廃墟の中を歩き回らされた挙句、不意に襲ってくる狂人との戦い…怖くない訳ありません。本作は主観視点で進行し、廃墟となった「デパート」や「学校」の中を探索・捜査して犯人を追い詰めて行きます。
発売は古いながらも、乱雑に置かれたゴミや汚れ具合等、廃墟の雰囲気はかなり良くできており、夜中に一人でプレイするにはもってこいの肝試しゲーとなっています。
サイコ・クライム
本作の主人公となるのはFBI捜査官「イーサン・トーマス」。物語は彼が追っている連続殺人犯「マッチメイカー」の犯行現場へ駆けつけたところから始まる。
犯行現場を捜査していたイーサンだったが、犯人は今だこのビルに潜伏していることに気付き、単独で後を追っていくことに……。
しかし、突如として犯人が現れ、不意を付かれて銃を奪われてしまう。そして、犯人はイーサンの銃を使って駆けつけた応援の警察官を撃ち殺し、イーサンを殴って消えてしまった…。
自宅のベッドで目覚めたイーサンは、部屋に居た謎の老人から警官殺しの濡れ衣を着せられていることを告げられる。…その時!部屋の外から警察の声が…、イーサンは謎の老人に言われるがまま部屋の窓から飛び出し、真犯人を追うことになってしまった。
撲殺ファイトスタイル
真犯人を追うため様々な犯行現場へ向かうイーサンだが、証拠を掴むためには行く手を阻む狂人たちと戦はなくてはなりません。
一見したらオーソドックスなFPSゲームですが、他と決定的に違うのが”戦闘は基本的に鈍器での格闘”だということ。本作では「鉄パイプ」「角材」「ハンマー」などの凶悪な鈍器を駆使して敵と戦っていきます。鈍器での戦闘となると、必然的に敵との距離が近くなるので、移動速度が極めて遅い本作では、敵が一人であっても殺られてしまうことがあり非常に緊張感があります。
もちろん銃器も登場するのですが、入手できる弾が非常に少なく、1種類の武器しか持てない本作では銃器類は使い捨てとなります。この武器選びは意外と重要な要素で、鈍器の「バール」や「アックス」などは攻撃の他にドアや金庫を開けるキーアイテム的役割を持っており、たとえ銃器が落ちていても考えて選択しなければなりません。
「ショットガン」や「リボルバー」等強い銃器類ですが同時に敵も使用してくるので油断は禁物。一発でかなりの体力を持っていかれるので、見つけ次第速攻で撃破しましょう。
敵が強い分、強敵の後には必ずといっていいほどライフパックが入手できるのが救いです。ありがたく使わせてもらいましょう。
ヒット&アウェイ戦法
忘れてはいけない武器がありました、上の項で武器は複数持てないと書きましたが、本作ではサブウェポンとして「スタンガン」を使うことが出来ます。これは個人的な意見ですが、本作のスタンガンは”ゲーム史上最強”と言っていい程に使い勝手がいいのです。
ヒットさせた敵を一定時間痺れさせ、その隙に攻撃したり敵の持っている武器を奪うこともできるので、銃器を持った敵を素早く無力化させるのにかなり有効。しかも弾数制限は無くチャージ式で、1発撃てば10秒程度ですぐ再装填される所も魅力の一つです。
遠くの敵にも撃つことができ、尚且つ一番体力の低いザコならスタンガン一発で撃破できるので非常に強力です。ゲーム展開上複数人で襲われることが多いのですが、このスタンガンという名のエクスカリバーを使ってのヒット&アウェイで切り抜けていきましょう。
クリミナルマインド
主に狂人との戦闘となる本作ですが、感心したというか驚いたのが敵のAIです。回り道して攻撃してきたり暗闇に隠れたりと、決して行動は多くありませんがなかなかリアルに出来ており、中でも”主人公と同じようにそこらへんに落ちている武器などを拾って使う”という行動のリアルさに痺れましたね。
敵の持っている銃の弾薬が有限というあたりもポイントで、複数で襲ってき時には逃げて弾薬を消費させたり、逆に単独だと即効で倒して多くの弾薬を獲得するなど戦術も広がります。
また、もはや洋ゲーのお約束的要素でもある「フェイタリティ」も発動することが出来ます。敵の体力をある程度削るとダウンするので、好きな方向に十字キーを押して「頭突き」や「首ひねり」などのパニシメントを加えてあげましょう。
正直、ダウンした相手は普通に攻撃してトドメを刺したほうが速いのですがせっかくの機会、発動しない手はないでしょう。至近距離に迫る敵の顔面はかなりのインパクトなのでマジで一見の価値ありです。
ハイテク科学捜査
狂人との戦闘も大事なのですが、目的は真犯人を見つけることです。本作では戦闘と平行して様々なハイテク機器を使って事件の捜査を行っていきます。
死体の証拠写真や指紋の採取、ガス探知機での証拠物探しなどバラエティに富んでおり、既存のポリス系ゲームよりも捜査してる感は高いです。そしてここで捜査した情報は、イーサンの唯一の味方である科学班の「ローザ」に送信され、彼女の解析を元にゲームを進めていきます。
全くの余談なのですが、ゲーム中盤で実際にローザに会うのですが、見た目が完全に普通のオバサンというところにこのゲームの真のリアリティを感じました。登場人物は総じて渋いです。
シックスセンス
ホラーゲームとしてプレイヤーが気になるところは、やはり恐怖の演出です。主人公であるイーサンはある種の第六感に長けており、犯行現場や遺留品に残る”悪意”を感じ取り、脳内にフラッシュバックすることが出来ます。
それらは「死体を隠しているシーン」であったり「犯行に使う道具を整備するシーン」であったりとかなり陰惨なシーンばかりで、ゲーム後半ではイーサン自身もこの悪意に飲み込まれていき「現実なのか夢なのか分からない」カオスな状況になってきます。
所々にビビる箇所はありますが、廃墟の雰囲気をライト片手に暗闇を進んでいく緊張感はいわゆる”ジャンプスケア系”のホラーゲームとはまた違った”ジメジメとした恐怖感”でなかなか乙なものがあります。
海外版でも問題なし
チャプターは全部で10あり、収集物等の要素もあるのですが数も少なく、リプレイ性は極めて低いです。しかしながら、ホラーゲームとしての出来は素晴らしく、狂人との戦闘を含め不気味なステージの数々はホラーゲームファンのみならず”一風変わったFPS”を探している方に是非ともオススメしたいです。
そして意外なことに本作は日本版も存在し2006年に発売されたのですが、発売以降ずっと中古でも定価付近の値が付きレアソフト扱いでした。しかし、近年は落ち着いており、3000円程度で入手が可能となっているみたいです。当時なら安い北米版をオススメしていましたが、現在の相場でしたら日本語で遊べる日本版を強くオススメいたします。
Xbox360初期のソフトながら意外とよく出来た本作。是非ともプレイしてみてください。以上。