2007 / Sierra / Rebellion / PSP
北米版PSPソフト「Aliens vs Predator: Requiem」を紹介!
2006年公開の”もはやどんな内容だったかも覚えていない”映画「AVP 2 Requiem」のゲームがPSPで登場! このちっこい画面でエイリアンが!プレデターが!暴れまくる!(笑)
製作はコンシューマ版「Aliens vs Predator」を開発した「Rebellion」。
宇宙からの狩人
言わずと知れたSF映画界の2大モンスターが共演したことで話題となった映画「AVP」。世紀の対決というプレミア感で1作目は面白かったものの、2作目である「AVP 2 REQUIEM」は目新しさも盛り上がる箇所も無く、今一つ印象に残っていないのが正直なところ。
そしてそのゲーム版である本作もまたあまり評判が良くなく、メタスコアは49点という微妙な点数。まぁ実際はこの評価は妥当かどうかは分かりませんが、個人的にはどうしても制限の多いPSPの3Dアクションゲームとしてはかなり頑張って作られている方だとは思います。
プレイヤーはプレデターを操り、「宇宙船の残骸を破壊」や「化学プラントの爆破」など合計15のミッションを遂行していきます。
プレデター最新兵器
映画「AVP」を見た方なら分かると思うのですが、プレデターの成人(?)の儀式として、古代から伝統のエイリアン狩りを行っているプレデター一族。今回はその舞台として地球が選ばれ、街中に放たれたエイリアンをハントするのが本作の目的です。
プレデターの攻撃は基本攻撃の「パンチ」に加え、「ハンドキャノン」や「ディスクショット」などの強力な特殊兵器を2つまで装備することができ、これらはミッション開始前の装備画面で選択することが出来ます。
最初は「キャノン砲」のみですが、ステージをクリアしていくと新しい装備がアンロックされ、獲得済みの兵器もアップグレードされていきます。映画でもお馴染みのバックパック型のキャノンや、手裏剣を撃ちだす装置などもあるのですが、特にオススメなのが「スピアー」です。
映画「PREDATOR 2」あたりで使用していたこの槍ですが、威力が抜群に高く、攻撃範囲も広いので非常にオススメ。というか正直この槍だけで最後まで行けるという完全なるバランス崩壊武器となっているのです(笑)この威力については次項にて!
エイリアン門前払い
素早い移動と強力な噛み付き攻撃…映画でのエイリアンは向かうところ敵無しの強力なイメージですが、本作では違います。これはプレデターが槍を装備したときに限っての話ですが、もうただのザコ、いや、ザコの中のザコ。ゾンビゲームで例えるならゾンビ犬位のレベルでしかないのです(笑)
通常のパンチ攻撃やキャノン砲だと、攻撃の合間に発生する隙を突かれることがあり、駆け引きのある”通常の戦闘”を楽しめるのですが、槍を握ってしまうとそうはいきません。通常、殆どの武器はエイリアンに3回ヒットさせてようやく倒すことができる位の威力で、強力な「ディスクショット」を使用すれば2回ヒットで倒せるのですが、1体しか狙うことが出来ず、その上発射までが非常に長く隙が大きい武器なのであまり実用的ではありません。
槍攻撃は瞬時に発動し、プレデターの前方や角度によっては真横にいる敵までもヒット、しかも2回当てるだけで倒せてしまうという恐ろしい兵器。海兵隊にいたってはほぼ1撃で粉砕でき、攻撃後の硬直時間も無いので、文字通りエイリアン共を門前払いすることが出来るのです(笑)
バランス崩壊兵器には間違いないですが、かといって他の兵器だと隙がありすぎ、一瞬で体力を持っていかれるのでもはや「スピアー」以外に選択肢はないのです(笑)
見た目の再現性は高い兵器ばかりなのに、使う機会に恵まれないとは非常に悲しい! まぁ気が向いたら他の兵器も使ってあげるのがプレデター通というものです。ちなみに手裏剣はマジでゴミなので使わなくていいです(笑)
赤外線視点カッコよすぎ
プレデターといえばお馴染みのこのサーモグラフィ画面。 本作では人間を索敵する「赤外線ビジョン」以外に、エイリアンを索敵する暗視「エイリアンビジョン」、機械や兵器を索敵する「テックビジョン」の3種類が使用できるのです。しかし、かなりのインパクトがあるこの各種ビジョンモードですが、当たり前のように実用性は皆無で「カッコイイから赤外線ビジョンにしよう」という位しか使い道がないのです(笑)
実用性がない理由として、赤外線なら人間だけしか見えず、暗視ならエイリアンだけというように、各種ビジョンではそれぞれに合った対象しか画面に映らないのです。(一応映りますが、黒くなってかなり見辛い)海兵隊とエイリアンが同時に襲ってくる場面では邪魔でしかなく、そもそも機器や兵器もあまり登場しないので、テックビジョンは”ただ赤くてカッコイイ”だけという散々な結果に。
まぁカッコイイっちゃカッコイイので何とも言えないですが、5分も10分もサーモグラフィ見てると頭が痛くなってくるのでほどほどにしときましょう。自分にはプレデターは向いていませんでした。
ステルス光学迷彩
上記の赤外線と同じく、プレデターの秘儀「ステルスモード」もちゃんと再現されており、散々な各種ビジョンモードとは裏腹に、こちらは結構役立つスキルとなっているのです。
ステルスモード中は海兵隊や人間に気付かれる事がないので、敵の懐にもぐりこんでの襲撃が可能となるのです。また、本作では海兵隊とエイリアンが戦っている場面に多く出くわすのですが、そんな時はステルスモードを発動し、どちらか決着が付くまで高みの見物を決め込むのが◎
ただ、人間には気付かれなくてもエイリアンには気付かれてしまうので、あんまり調子乗って近づくと全員から集中砲火を浴びるので注意が必要。あくまで高みの見物です。
良くも悪くもシネマゲー
お馴染みの装備に、クールなビジョンモード、そじて光学迷彩。 プレデターに関して言えばなかなかの再現度ですが、いかんせんエイリアンが弱く、チート兵器もあるので戦闘がかなり単調で作業的な印象。そして、ステージの目的の殆どが”オブジェクトの前でボタンを押して操作”するだけなので、プレデターを操作している大半の時間は、そのオブジェクトを探して移動というこれまた単調な展開となってしまっているのです。
このような展開ではリプレイ性もなく、一応おまけ程度に戦闘だけが楽しめる「アリーナモード」も搭載しているのですが全くやる気が起きません(笑) しかも何故かこのモードにだけ2人協力プレイが可能というまさに無駄な機能が搭載されているのですが、当たり前のように盛り上がるわけないので期待してはいけません。
PSPにしては頑張っている3Dグラフィックと、ストレスの無い操作性は評価できるものの、ゲームとしての面白さはもう一歩という感じ。やはり所詮シネマゲーといったところでしょうか。
微妙に高い中古価格
「PSPでプレデターが動かせる!」 正直これ位しかセールスポイントが無く、全体的に中途半端な作りの本作。やはり国内でも殆ど売れていないのか、紹介しているサイト等も少なく、中古ゲーム屋もほぼほぼ取り扱っていない模様。
そしてもう一つ流通していない理由がその”微妙に高い価格”です。 販売本数が少ないのかわかりませんが、2014年現在、海外では中古完品が20ドル~程度で売られており、国内流通となるとこの倍の価格や場合によってはそれ以上することもあります。
この高い販売価格に合った内容かは分かりませんので、コレクターの方や物好きなゲーマーの方にのみオススメいたします。まぁこれ買う位なら360・PS3版の「Aliens vs Predator」買った方が遥かに楽しめると思いますが(笑)以上!