2003 Rockstar Games / Remedy, 3D Realms / XB PS2 PC
北米版XBOXソフト「Max Payne」を紹介!
ロックスターゲームズが送るハードボイルド・アクションシューティングゲーム。
本作は2003年に発売され、今ではよくある「バレットタイム」という周りがスローモーションに見えるシステムを初めて本格的に搭載した、アクションシューティングの草分け的作品。
日本ではPS2版が発売。XBOX版は国内本体では起動不可です。
憎しみを装填する
オープニング。
ニューヨークの街中をパトカーが走りぬけ、ビルの前に停車。
そこからカメラは上へと上がり、屋上にたたずむ男を映し出す。
いきなり映画のクライマックスのような演出でプレイヤーを引き込んで行きます。
そう彼が本作の主人公「マックス・ペイン」悲しい表情で空を見つめ、重たい口調で語り始めます。この物語は彼の回想録となっており、事の始まりから語られて行きます……。
始まりはある日の夜、仕事から帰ると家に違和感を感じるマックス。
荒れた玄関に胸騒ぎを覚え、仕事道具のベレッタを握り締めます。
血の付いたタイルに……部屋から聞こえる悲鳴。
子供部屋に走るマックス………。
突如、居るはずのないスキンヘッドのジャンキーが………!
ジャンキーを撃ち殺し、駆けつけるとそこには無残に惨殺された子供と妻が……。
本作「MAX PAYNE」は、ジャンキーに家族を殺された男の復讐の黙示録なのです。
アメリカンドリーム
事件後、全てを失ったマックスはジャンキー達が新型麻薬「ヴァルキリア」というものに手を出していたことを知ります。そしてこの新型麻薬が街に蔓延していることも知り、彼はまたしてもベレッタを握り締め、ジャンキー達の巣窟へと乗り込んで行くのです………。
プレイヤーはマックスを操り、モーテルやナイトクラブ、化学工場などを舞台に悪を弾丸で成敗していきます。大きく分けて3つのパートがあり、その中にもいくつかのチャプターに分かれています。難易度はノーマルでもなかなか歯ごたえがあり、苦戦する箇所も結構ありました。
謎解きも多く、戦闘以外でも難易度は高めです。
バレットタイムシステム
ゲーム業界が震撼したシステム「バレットタイム」とは?
発動すると照準以外の全てがスローモーションになり、敵の撃つ弾を避けながらスタイリッシュに攻撃できるという映画さながらのシステム。撃たれた敵は血飛沫を上げながらゆっくりと吹っ飛び、飛び交う弾丸をスレスレで避ける様は本作最大の醍醐味でしょう。
また、「シュートダッジ」という横っ飛びも発動でき、スローモーションで飛びながら二丁拳銃を乱射したマックスにはジョン・ウーも敵わないはずです。
「マトリックス」などの映画ではあった手法をいち早くゲームに取り入れた本作は、アクション・シューティングゲーム界に新たな可能性を打ち出したと言っても過言ではないでしょう。
ジャンキーには情け無用
本作ではノワールムービー御用達の「ベレッタ」から、グレネードランチャーの「M79」まで実に様々な武器が登場します。「ベレッタ」と「イングラム」(よくギャングとかが持ってるマシンガン)は2丁持ちが出来ますので横っ飛び推奨です。
一度取った武器はストックされ、全て持ち歩くことが可能なのが嬉しい仕様。
「ベースボールバット」や「鉄官」なんてほとんど使用することは無いですが、たまに一人でうろついている敵を倒すには最適の武器だといえます。
ちなみにバイオレンス度はそこまで高くなくいですが、銃撃した際の流血表現はなかなかリアルなので、国内のPS2版はレイティングZ指定になっています。
ストーリー進行もスタイリッシュに
ストーリーはアメコミ調の絵で進み、すこしふざけた感じのアメコミはマックスペインの世界観と非常にマッチしておりカッコいいです。お遊び要素といえば、本作ではゲーム中出てくる自動販売機やレジスター、スロットに至るまでほとんどのオブジェクトを操作することが出来ます。
自動販売機ならジュースが出てきたり、テレビのON・OFF、ラブホテルのベッドのバイブ機能までもが操作できるという凝りよう。(ピアノを操作すると本作のテーマ曲が演奏されるぞ!笑)
一連の動作に特に意味は無いのですが、ただテクスチャを張っただけのオブジェクトよりも、こうして操作できるリアルさというものは大事なんじゃないでしょうか?
こういうのがあるとゲームプレイにおいて楽しみが増えますよね。
一転ホラーゲームに…
ゲーム中盤、マックスは敵に捕まり薬品を打たれます。そう新型麻薬「ヴァルキリア」。
意識が朦朧とするマックス、深層心理で増幅する自身のトラウマと戦います。
プレイヤーが操作するのはマックスの心の中の「あの事件」におけるトラウマです。
マックスの意識の中の家はまるで迷路のようで、玄関から伸びる長い廊下を抜けると次はあのバスルーム、子供部屋とマックスのトラウマが具現化されて表示されます。
このステージ、終始赤ん坊の泣き声や妻の悲鳴などが聞こえていてめちゃくちゃ怖いです。
中でも子供部屋の廊下を抜けるとこの世の終わりみたいな細い糸が伸びており、暗闇の中綱渡りをしなければいけません………。
まじで怖いです。プレイヤーも軽くトラウマになること間違い無しのステージ。
しかも一番びびったのが、落ちて死ぬ瞬間たまに赤ん坊の声がめちゃくちゃ大きくなるんです……。しかも難しいので何度もやり直すハメに……これまじでトラウマっす…。
スローモーションしまくり!
上の項にもありました心理ステージなど、本作ではプレイヤーを楽しませる細かい演出が随所にちりばめられています。敵を倒すとたまに入るスローのカットや、山場のシーンでかかるロックなBGMなど盛り上がる要素がたくさんです。
プレイヤーが死ぬときも毎回スローモーションが入り、マックスの苦しそうな表情までもスタイリッシュに描いているという本作。ここまでクールなゲームはなかなか無いでしょう。
ちなみにメニュー画面で聴けるもの悲しいBGMが個人的にすごい好きなのですが、サントラとかあれば買うのになぁ……。
非常に良質なTPS
以上、駆け足で紹介いたしましたが本作の魅力はまだまだこんなもんじゃありません。
発売からかなり経っていますが、アクション・TPS好きならば是非一度プレイしてみてください。ちなみにこのシリーズの最新作「Max Payne 3」もかなり最高なので、それに合わせてみてはいかがでしょうか?
実はこのゲーム、一度「マーク・ウォルバーグ」主演で映画化されているのですが、正直あまり良い出来ではありませんでした。期待し過ぎたからかわかんないですがやっぱどう考えたって主演は「メル・ギブソン」一択だろ!!まぁギャラの関係で絶対無理でしょうが。
マックスペインではないですが、ダーティなメルギブが拝める「PAYBACK」はノワール感満載でオススメです。しかめっ面で拳銃撃ちまくっててマックスに瓜二つですよ(笑)