2006 / Eidos / Rocksteady Studio / XBOX PS2
北米版XBOXソフト「Urban Chaos: Riot Response」を紹介!
マスク dear マスク……
ホッケーマスク、ガスマスクそしてプロレスラーの覆面……それだけじゃない、「13日の金曜日」のジェイソン、「悪魔のいけにえ」のレザーフェイス、「スパイダーマン」のピーター・パーカーetc……。なんてことだ!クールなものは全部マスクマンじゃないか!そう、この驚愕の符合に気付いた(かどうかは全く知らん)イギリスのゲーム会社が作り上げた”世紀末イズム”全快の覆面テロリスト撲滅シューティングゲーム!!!
クソどうでもいい前置きはさておき!この濃いゲームを紹介していきます!
ゴー・トゥ・暴徒鎮圧!
「ヒャッハー!!」などと聞こえてきそうな極悪ギャング団「BURNERS」との戦いを描いたFPSで、プレイヤーは特殊部隊「T-ZERO」の隊員、「ニック・メイソン」となり、街で暴れているこの悪の軍団をブチ殺していきます。
このバーナーズというギャング、顔はホッケーマスク、火炎瓶やソードオフショットガン、肉きり包丁などを手にして襲いかかって来ます。中には上半身裸のタイプも居り、非常に世紀末感溢れるスタイルとなっております。(きっとボスの名はヒューマンガスに違いない!)
この時点で、他のFPSとは若干毛色が異なる作品だということは感じていただけたかと思うのですが、本作では斬新なフィーチャーが搭載されており、実写ムービー、シールド装備などなど素敵な要素が盛りだくさんです。以下解説していきます。
伝家の宝刀ライオットシールド
本作の最大の特徴、他のFPSと一線を画しているのは「シールド」装備です。ゲーム中、標準装備としてLトリガでシールドを構えることができ、正面からの攻撃は、ミサイルだろうがバックドラフトだろうが100%防ぐことが出来ます。また、シールドで殴ることも可能で盾、最強です。
なかなか使えるシールドですが、構えている間は撃てませんし、サイドからの攻撃は受けてしまうので、高性能ながらちゃんとバランスが取れている辺りもポイント高し。ちなみに撃たれまくると弾痕で視界が悪くなるなど芸も細かいです。
豪快な血飛沫
ゴア表現にもなかなか力が入っており、ショットガンやライフルなどの武器でヘッドショットを決めた際には、ガリッっという音と共に肉片が飛び散ります。
しかもここぞという時にはスローモーションになり、血飛沫を上げながら倒れていく敵をゆっくり拝むことが出来る素敵な機能も搭載。
武器は豊富に用意されており、ゲーム序盤こそ少ないものの、ミッション中にはヘッドショットの回数や、隠しアイテムを集める等のタスクがあり、それに応じて新しい武器が手に入ったり、装備が強化されたりするのでステージを進めていくごとにバリエーションが増えていきます。
また、本作の主人公は仮にもポリスメンであり、必ずしも敵を殺さなければならないという訳ではありません。つまり逮捕するのですが、やり方は敵に近づき「スタンガン」を当てるだけ。
食らえスタンガン!!
でもバチバチやりすぎると…!!
BBQになっちゃうぞ!!
(ローステッド・ヒューマン ~電流仕立て~)
こうしてマズそうなバーベキューが出来てしまうので、火加減はほどほどに…(笑)
ミッション中のタスクには、犯人の逮捕数の項目もありますので、余裕があれば逮捕しておきましょう。スタンガン以外では「催涙手榴弾」でも逮捕することができ、こちらは爆風に巻き込めば複数人一気に捕獲できる優れものです。…それにしてもやり方が荒いですが正義のためです!
私は歩く武器庫
装備できる重火器は大きく分けて2種類あり、警察からの支給されたものと、バーナーズが持っている装備があります。支給される武器は「ハンドガン」「ショットガン」「アサルトライフル」とステージが進むごとに増えていき、また一度獲得すれば初期装備として、全て持ち歩くことが出来ます。
後者は敵が落とす武器なので、基本的に現地調達になり、ステージ間の持ち越しは出来ません。
警察の武器はタスクをクリアしていくごとにパワーアップしていき、装弾数が上がったりスコープがついたりとかなり強くなっていきます。
どちらかというと警察の武器は近代的な銃器が多いのに対し、バーナーズの武器はいかにもテロリスト達が使いそうな、「2丁サブマシンガン」や「単発グレネードランチャー」、果ては「電動ノコギリ」などが用意されており、なかなか良いとこをついています。
ホステージ・シチュエーション
ミッションはサブ含め全17種類。マップはそこそこバラエティがあり、シティホールや地下鉄、建設中のビルや埠頭まで様々なシチュエーションでギャングどもを成敗していきます。
また、ミッションによっては消防士や救急隊員などのNPCと行動を共にする面もあり、結構忙しいです。サブミッションは5分間のタイムリミットが設けられていて、通常のミッションとはまた違った緊張感があります。
そして時々発生する人質を助けるイベントである「ホステージ・シチュエーション」は、シールドを駆使して敵に近づき、隙を突いてヘッドショットを狙うという重大なミッション。
攻撃に成功すると、ステージによっては後ろのガスボンベに引火して爆発したり、頭上にある瓦礫に潰されたりとなかなか凝った死に様を見せてくれます。いわばフェイタリティな”死にザマ”は本作の見所の一つかもしれませんね。見逃し注意!
脅威の実写NEWS
「ディス イズ ツァーンネル セボォーン ヌゥース」とミッション開始前には毎回実写映像のニュース番組が流れます。特筆するのはその異様なまでに凝った作りで、キャスターの人もそれっぽい配役で、実際にありそうな絶妙なラインです。
インタビュー映像や、ヘリでの空撮ショットなど毎回手の込んだニュース映像によってミッションの内容が説明されます。 キャスターの服が毎回変わるという拘りようも◎(笑)
敵のギャグさ加減とこの実写映像によるリアル感はプレイヤーに混乱を与えることは間違いないが、何故か絶妙にゲームにマッチしている所が笑えます。
この時代にあえて実写映像をふんだんに取り入れるという、心意気が憎い製作者に拍手。
表現規制ナシのXBOX版を買おう!
いやはや、なかなかの骨太なシューティングであり大いに結構でした。
ギャングと特殊部隊の戦いと、設定だけ見ると普通なのですが、様々な要素を搭載し王道ながら普遍的なFPSに終わっていないのが本作の魅力で、総じて良作だと思います。
そして製作の「Rocksteady Studio」はこの後続編を作ることなく、有名DCコミックのヒーローゲームを手がけることになる……そう、実はこのスタジオ、大ヒットした「Batman Arkham」シリーズを製作しているスタジオなのです(!?)"バットマンのゲームはクソゲー"という流れを一気に変えた会心の出来で、今やシリーズ3作を数える一大シリーズとなっているんです。
こともあろうか、かぶりものゲーで被せてきたこのスタジオには今後も注目です。個人的には「Urban Chaos: Riot Response」の続編を作ってほしいところなのですが……無いか!(笑)
あ、ちなみに国内版は首、飛びません以上。